
こんにちは。亀戸駅徒歩5分の歯医者、亀戸WADA歯科・矯正歯科 院長の和田です。
「妊娠中に歯が痛くなったけれど、赤ちゃんへの影響が心配で我慢している」
「授乳中だけど、痛み止めや抗生剤を飲んでも平気?」
「つわりがひどくて歯磨きができず、虫歯にならないか不安…」
このようなお悩みをお持ちの妊産婦さんは、実はとても多いのです。
妊娠中は女性ホルモンの影響で歯茎が腫れやすくなったり、つわりで食事が不規則になったりと、お口のトラブルが起きやすい時期でもあります。そして何より、お母さんのお口の健康状態は、生まれてくる赤ちゃんの健康や虫歯リスクにも直結します。
「今は治療を避けるべき」と自己判断して痛みを我慢することは、かえって母体にストレスを与え、赤ちゃんにも悪影響を及ぼしかねません。
正しい知識を持ち、適切な時期に必要なケアを受けることが、母子ともに健やかな毎日を送るための近道です。
本記事では、妊娠中・授乳中の歯科治療に関する安全性や注意点、ご自宅でできるケアについて、私が診療室で患者様にお伝えしている内容をベースに丁寧に解説していきます。
目次
- 1. 妊娠中の歯科治療はいつ受けるべき?時期別の指針
- 1-1. 妊娠初期(1〜4ヶ月):応急処置と予防がメイン
- 1-2. 妊娠中期(5〜7ヶ月):安定期は通常の治療が可能
- 1-3. 妊娠後期(8ヶ月以降):無理せず緊急対応のみに
- 2. お母さんが気になる「治療の安全性」Q&A
- 2-1. 局所麻酔は赤ちゃんに届くの?
- 2-2. レントゲン撮影による被曝の影響は?
- 2-3. 飲み薬(痛み止め・抗生剤)の服用について
- 3. 妊娠中に起こりやすいお口のトラブルと対策
- 3-1. 妊娠性歯肉炎と低体重児出産の関連
- 3-2. つわりで歯磨きができない時の工夫
- 4. 産後・授乳中の歯科受診と赤ちゃんのケア
- 4-1. 授乳中の麻酔や服薬のタイミング
- 4-2. 母子感染を防ぐ「マイナス1歳からの虫歯予防」
- 5. まとめ
1. 妊娠中の歯科治療はいつ受けるべき?時期別の指針
妊娠期間中は、体調や赤ちゃんの成長に合わせて、治療の内容やタイミングを慎重に判断する必要があります。
1-1. 妊娠初期(1〜4ヶ月):応急処置と予防がメイン
この時期は、赤ちゃんの器官が形成される重要な時期であり、母体もつわりなどで体調が不安定になりがちです。また、切迫流産のリスクも考慮し、原則として積極的な治療は控えます。
痛みが強い場合の応急処置や、お口の中を清潔に保つためのクリーニングを中心に行い、本格的な治療は安定期まで延期することが一般的です。
1-2. 妊娠中期(5〜7ヶ月):安定期は通常の治療が可能
いわゆる「安定期」に入ると、母体も胎児も状態が安定してくるため、通常の歯科治療(虫歯治療、歯周病治療、簡単な抜歯など)が可能になります。
出産後は育児に追われて通院が難しくなるため、この時期に気になるところを治しておくことを強くお勧めします。
1-3. 妊娠後期(8ヶ月以降):無理せず緊急対応のみに
お腹が大きくなり、診療台(ユニット)で仰向けになる姿勢が辛くなってきます。「仰臥位低血圧症候群」のリスクもあるため、長時間の治療は避けます。
また、早産のリスクを避けるため、体に負担のかかる治療は行わず、痛み止めなどの応急対応に留め、産後の治療再開を計画します。
2. お母さんが気になる「治療の安全性」Q&A
「本当に大丈夫?」と不安に思われる3大要素について、医学的な根拠に基づきご説明します。
2-1. 局所麻酔は赤ちゃんに届くの?
歯科で使用する麻酔は「局所麻酔」といって、歯茎の周囲だけに作用するものです。使用量もごく微量であり、薬剤が血管を通じて胎盤を通り、赤ちゃんに影響を与えることはまずありません。
むしろ、麻酔なしで激痛に耐えるストレスの方が、母体や赤ちゃんにとって良くない影響を与える可能性があります。当院では、通常よりもさらに少量の麻酔で済むよう、痛みの少ない打ち方を工夫しています。
2-2. レントゲン撮影による被曝の影響は?
歯科用レントゲンの放射線量は極めて微量です。さらに、撮影部位はお腹から離れた「口元」であり、X線を遮断する「防護エプロン」を着用していただくため、お腹の赤ちゃんへの被曝量は限りなくゼロに近いです。
当院ではデジタルレントゲンを導入しており、従来のアナログ撮影に比べて被曝量をさらに1/10程度に抑えています。もちろん、緊急性がない場合は撮影を控えるなど、柔軟に対応いたします。
2-3. 飲み薬(痛み止め・抗生剤)の服用について
薬に関しては最も慎重になるべき点です。基本的に妊娠中は投薬を控えますが、痛みが激しく食事が摂れない場合や、感染症が悪化するリスクがある場合は、妊婦さんにも安全性が高いとされる薬(アセトアミノフェン系の鎮痛剤や、特定の抗生物質)を必要最低限処方します。
必ず産婦人科の担当医とも連携を取りながら判断しますので、ご安心ください。
3. 妊娠中に起こりやすいお口のトラブルと対策
妊娠中はホルモンバランスの変化により、特有のリスクが高まります。
3-1. 妊娠性歯肉炎と低体重児出産の関連
妊娠中は、女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)が増加します。特定の歯周病菌はこれらのホルモンを好んで繁殖するため、普段よりも歯茎が腫れやすく、出血しやすくなります(妊娠性歯肉炎)。
さらに恐ろしいのは、重度の歯周病が早産や低体重児出産のリスクを約7倍にも高めるというデータがあることです。歯周病菌が出す炎症物質が血管に入り込み、子宮の収縮を促してしまうためです。
安定期に入ったら、ぜひ一度歯科検診を受け、プロによるクリーニングでリスクを下げましょう。
3-2. つわりで歯磨きができない時の工夫
つわりが酷い時は、歯ブラシを口に入れるだけで気持ち悪くなることがあります。
- 体調の良い時間帯に磨く
- ヘッドの小さい歯ブラシを使う
- 香りの強い歯磨き粉を避ける
- どうしても磨けない時は、食後に強めにうがいをするだけでもOK
無理をせず、できる範囲でケアを続けましょう。
4. 産後・授乳中の歯科受診と赤ちゃんのケア
出産後は、お母さん自身のケアと同時に、赤ちゃんのケアも始まります。
4-1. 授乳中の麻酔や服薬のタイミング
授乳中の麻酔も、基本的には問題ありません。麻酔薬は速やかに分解・排出されるため、母乳への移行はほとんど無視できるレベルです。
服薬に関しては、薬の種類によって母乳への移行性が異なります。安全性の高い薬を選びますが、心配な場合は「服薬直後に授乳し、次の授乳まで時間を空ける(または搾乳して捨てる)」といった対応をご案内しています。
4-2. 母子感染を防ぐ「マイナス1歳からの虫歯予防」
生まれたばかりの赤ちゃんのお口には、虫歯菌はいません。虫歯菌は、主にお世話をする大人(特にお母さん)から、口移しや食器の共有などを通じて感染します(母子感染)。
つまり、お母さんのお口の中の虫歯菌を減らしておくことが、赤ちゃんへの感染を防ぐ一番の予防になるのです。これを「マイナス1歳からの虫歯予防」と呼びます。
ご自身の治療やメインテナンスをしっかり行うことが、お子様への最初のプレゼントになります。
5. まとめ
妊娠中・授乳中の歯科治療は、決して「避けるべきもの」ではありません。むしろ、母子の健康を守るために「必要なケア」です。
当院では、お母さんの体調やお腹の赤ちゃんのことを第一に考え、無理のない範囲で最適な治療計画をご提案いたします。母子手帳をお持ちになり、まずは検診だけでもお気軽にお越しください。
亀戸で妊娠中・授乳中の歯科治療、産前産後の予防ケアについてのご相談なら、亀戸WADA歯科・矯正歯科へお任せください。
スタッフ一同、新しい命を迎えるお母様を全力でサポートさせていただきます。






























