
こんにちは。院長の和田です。
「歯医者さんのクリーニングは、ガリガリされて痛いから苦手」
「歯石を取ってもらうといつも血が出るから、歯茎を傷つけられている気がする」
患者様から、このような率直なご意見やご不安の声をいただくことがよくあります。
お口の健康を守るために通っていただいているのに、苦痛やストレスを感じさせてしまうのは、私たち歯科医師や歯科衛生士にとっても本意ではありません。
結論から申し上げますと、歯石取り(スケーリング)において、すべての方に強い痛みや大量の出血が伴うわけではありません。痛みや出血が生じる背景には、お口の中の「ある状態」が深く関わっています。裏を返せば、その状態を改善し、適切な対処法を知っておけば、クリーニングは決して怖いものではなく、むしろお口の中がスッキリして気持ちの良いものへと変わります。
本記事では、歯石取りで痛みや出血が起こる本当の理由と、それらを最小限に抑えてリラックスしてケアを受けていただくためのコツについて、丁寧にお話しいたします。
「痛いのが嫌で、しばらく歯医者に行けていない」という方にこそ、ぜひお読みいただきたい内容です。
目次
- 1. なぜ「歯石取りは痛い・血が出る」と言われるのか?
- 2. 「血が出る=悪いこと」ではない?出血の本当の意味
- 3. 痛みを抑えて快適にクリーニングを受ける4つのコツ
- 4. 当院の「痛みに配慮した」クリーニングへのこだわり
- 5. まとめ
1. なぜ「歯石取りは痛い・血が出る」と言われるのか?
歯石を取る際に痛みや出血を感じるのには、主に3つの理由があります。実は、器具が直接歯茎を傷つけているからではなく、お口の中の状態が影響していることがほとんどです。
1-1. 歯茎の炎症(歯肉炎・歯周病)が最大の原因
痛みや出血の最も大きな原因は、「歯茎の炎症」です。
歯石の表面はザラザラしており、そこには無数の細菌(プラーク)が住み着いています。この細菌が出す毒素によって、歯茎は常に攻撃され、赤く腫れ上がり、充血した状態になっています。
健康な引き締まった歯茎であれば、器具が少し触れた程度で痛みや出血が起こることはありません。しかし、炎症を起こして敏感になっている歯茎は、わずかな刺激でも痛みを感じやすく、簡単に血が出てしまうのです。
1-2. 知覚過敏による「しみる」痛み
歯石取りでは、超音波の振動と水流を使って汚れを弾き飛ばす「超音波スケーラー」という器具をよく使用します。
歯周病の進行や加齢によって歯茎が下がり、歯の根元(象牙質)が露出していると、このお水や振動が神経に伝わり、「キーン」と冷たいものがしみるような痛み(知覚過敏)を感じることがあります。また、分厚く覆い被さっていた歯石が取り除かれたことで、一時的に歯が外の刺激に敏感になることもあります。
1-3. 歯石が硬くこびりついている(縁下歯石)
歯石には、目に見える歯茎の上につくもの(縁上歯石)と、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯茎の溝の奥深くにつくもの(縁下歯石)があります。
歯茎の奥深くに隠れている黒っぽい歯石は、血液の成分を含んでおり、非常に硬く歯の根にこびりついています。これを取り除くには、歯茎の奥まで器具を入れる必要があるため、どうしても圧迫感や痛みが生じやすくなります。
2. 「血が出る=悪いこと」ではない?出血の本当の意味
クリーニングの最中やうがいの時に血が混じっていると、「失敗されたのでは?」「歯茎を削られたのでは?」と不安になるかもしれません。
しかし、ご安心ください。この出血は、決して悪いことではありません。
前述の通り、細菌によって炎症を起こした歯茎の中には、古く汚れた血液(うっ血)が溜まっています。歯石取りの際に出る血の多くは、この「悪い血」が排出されている証拠です。
原因である歯石(細菌の塊)を取り除き、溜まっていた血を出すことで、歯茎の炎症は急速に治まり、数日後にはキュッと引き締まった健康なピンク色の歯茎へと回復していきます。つまり、一時的な出血は「歯茎が健康を取り戻すための治癒プロセス」の一部なのです。
3. 痛みを抑えて快適にクリーニングを受ける4つのコツ
では、できるだけ痛い思いをせずにクリーニングを受けるにはどうすればよいのでしょうか。患者様ご自身で実践できる4つのコツをご紹介します。
3-1. 痛みを我慢せず、すぐに伝える
「歯医者さんでは痛くても我慢しなければいけない」と思い込んでいませんか?
少しでも痛みや「しみる」感覚があれば、我慢せずに左手を上げて、歯科医師や歯科衛生士に遠慮なくお伝えください。
お声がけいただければ、器具のパワー(振動)を弱める、お水が直接かからないように角度を調整する、手用の器具(キュレット)に持ち替えるなど、痛みを和らげるためのさまざまな工夫が可能です。
3-2. 表面麻酔や局所麻酔を活用する
知覚過敏が強い場合や、歯周ポケットの奥深くに硬い歯石がこびりついている場合は、無理に痛みをこらえる必要はありません。
歯茎に塗るタイプの「表面麻酔」を使用したり、必要に応じて少量の「局所麻酔」を注射することで、ほとんど痛みを感じずに処置を進めることができます。「麻酔をしてでも、しっかり汚れを取り切りたい」というご希望があれば、事前にお申し出ください。
3-3. 歯石が溜まりすぎる前に「定期検診」に通う
最も確実な痛み対策は、「歯石がカチカチに硬くなる前、そして歯茎が大きく腫れる前に取る」ことです。
長期間放置された歯石は石のように硬くなり、除去に時間がかかり、痛みも伴いやすくなります。3〜4ヶ月に一度のペースで定期検診に通っていれば、汚れも落としやすく、歯茎の炎症も少ないため、マッサージを受けているような心地よさの中でクリーニングを終えることができます。
3-4. ご自宅での正しいセルフケアを習慣づける
歯科医院でのクリーニングの負担を減らすには、毎日のホームケアが欠かせません。
歯ブラシに加えて、デンタルフロスや歯間ブラシを正しく使い、プラーク(歯垢)の段階で汚れを落としておくことで、歯石の付着や歯肉の炎症を最小限に防ぐことができます。ご自身のケアが行き届いているほど、クリニックでの処置は短時間で、無痛で終わります。
4. 当院の「痛みに配慮した」クリーニングへのこだわり
亀戸WADA歯科・矯正歯科では、患者様に「また来たい」と思っていただけるよう、痛みに最大限配慮したクリーニングを提供しています。
まず、いきなり器具を当てることはいたしません。必ず事前にお口の中全体をチェックし、歯茎の炎症具合や知覚過敏の有無を確認します。
そして、患者様お一人おひとりのお口の状態や、痛みの感じやすさに合わせて、使用する器具の種類や超音波のパワーを細かく調整します。
また、お口のケアを担当するのは、専門的な訓練を受けた歯科衛生士です。患者様とのコミュニケーションを大切にし、お顔の表情やわずかな反応を見逃さず、常に「お痛みはありませんか?」「お水がしみていませんか?」とお声がけしながら、リラックスした状態でケアを受けていただけるよう努めています。
どうしても不安が強い方には、麻酔を用いた無痛的なアプローチもご提案いたしますので、どうぞご安心ください。
5. まとめ
「歯石取りは痛い・血が出る」というのは、決して避けられない絶対的なものではありません。多くの場合、それは長期間放置されたことによる歯茎の炎症や、硬くこびりついた汚れが原因です。
定期的に歯科医院へ通い、お口の中を清潔な状態に保つこと。そして、痛みや不安があれば決して我慢せず、プロフェッショナルである私たちに伝えていただくこと。
これが、快適なクリーニングを受けるための最大の秘訣です。
「痛いのが怖くて、ずっと歯医者に行けていない」
「以前のクリーニングでつらい思いをした」
そのようなご経験がある方も、ぜひ一度、勇気を出して私たちにご相談ください。
亀戸で痛みに配慮した歯石取りや、歯周病予防のためのクリーニングについてのご相談なら、亀戸WADA歯科・矯正歯科へお任せください。
皆様の大切な歯と歯茎を優しく守り、いつまでもご自身の歯で美味しく食事ができるよう、スタッフ一同、誠心誠意サポートさせていただきます。
少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
監修者情報
【略歴】
- 2005年 東京医科歯科大学歯学部 卒業
- 2006年~2016年 10年間東京都内の会員制自由診療専門のクリニックにて、卒後2年目より院長を務める
- 2008年~2011年 東京医科歯科大学 歯学部歯髄生物学分野専攻生
- 2016年 10月 和田デンタルクリニック亀戸(現:亀戸WADA歯科・矯正歯科) 開院
酒田 日吉歯科にて熊谷先生のOPセミナー参加 - 2018年 Harvard大学interdisciplinary course参加/Freude International Academy 参加 (オーストリア咬合学)
- 2019年 Harvard大学にて【NIRIを用いた隣接面う蝕検知】 について共同研究/インビザラインシステムコース参加/スイスBern大学にてITI education weeks参加/シカゴにてAmerican Academy of dental sleep medicine ‘mastery program’参加
- 2021年 PHIJ BASICコース参加
- 2022年 代官山WADA歯科・矯正歯科 開院
- 2024年 Straumann PROARCH 参加






























