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2026.03.31更新

「歯石取りは痛い・血が出る」は本当?痛みを抑えて快適にクリーニングを受けるコツ

こんにちは。院長の和田です。

「歯医者さんのクリーニングは、ガリガリされて痛いから苦手」
「歯石を取ってもらうといつも血が出るから、歯茎を傷つけられている気がする」

 

患者様から、このような率直なご意見やご不安の声をいただくことがよくあります。
お口の健康を守るために通っていただいているのに、苦痛やストレスを感じさせてしまうのは、私たち歯科医師や歯科衛生士にとっても本意ではありません。

 

結論から申し上げますと、歯石取り(スケーリング)において、すべての方に強い痛みや大量の出血が伴うわけではありません。痛みや出血が生じる背景には、お口の中の「ある状態」が深く関わっています。裏を返せば、その状態を改善し、適切な対処法を知っておけば、クリーニングは決して怖いものではなく、むしろお口の中がスッキリして気持ちの良いものへと変わります。

 

本記事では、歯石取りで痛みや出血が起こる本当の理由と、それらを最小限に抑えてリラックスしてケアを受けていただくためのコツについて、丁寧にお話しいたします。
「痛いのが嫌で、しばらく歯医者に行けていない」という方にこそ、ぜひお読みいただきたい内容です。

 

目次

 

1. なぜ「歯石取りは痛い・血が出る」と言われるのか?

歯石を取る際に痛みや出血を感じるのには、主に3つの理由があります。実は、器具が直接歯茎を傷つけているからではなく、お口の中の状態が影響していることがほとんどです。

 

1-1. 歯茎の炎症(歯肉炎・歯周病)が最大の原因

痛みや出血の最も大きな原因は、「歯茎の炎症」です。
歯石の表面はザラザラしており、そこには無数の細菌(プラーク)が住み着いています。この細菌が出す毒素によって、歯茎は常に攻撃され、赤く腫れ上がり、充血した状態になっています。
健康な引き締まった歯茎であれば、器具が少し触れた程度で痛みや出血が起こることはありません。しかし、炎症を起こして敏感になっている歯茎は、わずかな刺激でも痛みを感じやすく、簡単に血が出てしまうのです。

 

1-2. 知覚過敏による「しみる」痛み

歯石取りでは、超音波の振動と水流を使って汚れを弾き飛ばす「超音波スケーラー」という器具をよく使用します。
歯周病の進行や加齢によって歯茎が下がり、歯の根元(象牙質)が露出していると、このお水や振動が神経に伝わり、「キーン」と冷たいものがしみるような痛み(知覚過敏)を感じることがあります。また、分厚く覆い被さっていた歯石が取り除かれたことで、一時的に歯が外の刺激に敏感になることもあります。

 

1-3. 歯石が硬くこびりついている(縁下歯石)

歯石には、目に見える歯茎の上につくもの(縁上歯石)と、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯茎の溝の奥深くにつくもの(縁下歯石)があります。
歯茎の奥深くに隠れている黒っぽい歯石は、血液の成分を含んでおり、非常に硬く歯の根にこびりついています。これを取り除くには、歯茎の奥まで器具を入れる必要があるため、どうしても圧迫感や痛みが生じやすくなります。

 

2. 「血が出る=悪いこと」ではない?出血の本当の意味

クリーニングの最中やうがいの時に血が混じっていると、「失敗されたのでは?」「歯茎を削られたのでは?」と不安になるかもしれません。
しかし、ご安心ください。この出血は、決して悪いことではありません。

 

前述の通り、細菌によって炎症を起こした歯茎の中には、古く汚れた血液(うっ血)が溜まっています。歯石取りの際に出る血の多くは、この「悪い血」が排出されている証拠です。
原因である歯石(細菌の塊)を取り除き、溜まっていた血を出すことで、歯茎の炎症は急速に治まり、数日後にはキュッと引き締まった健康なピンク色の歯茎へと回復していきます。つまり、一時的な出血は「歯茎が健康を取り戻すための治癒プロセス」の一部なのです。

 

3. 痛みを抑えて快適にクリーニングを受ける4つのコツ

では、できるだけ痛い思いをせずにクリーニングを受けるにはどうすればよいのでしょうか。患者様ご自身で実践できる4つのコツをご紹介します。

 

3-1. 痛みを我慢せず、すぐに伝える

「歯医者さんでは痛くても我慢しなければいけない」と思い込んでいませんか?
少しでも痛みや「しみる」感覚があれば、我慢せずに左手を上げて、歯科医師や歯科衛生士に遠慮なくお伝えください。
お声がけいただければ、器具のパワー(振動)を弱める、お水が直接かからないように角度を調整する、手用の器具(キュレット)に持ち替えるなど、痛みを和らげるためのさまざまな工夫が可能です。

 

3-2. 表面麻酔や局所麻酔を活用する

知覚過敏が強い場合や、歯周ポケットの奥深くに硬い歯石がこびりついている場合は、無理に痛みをこらえる必要はありません。
歯茎に塗るタイプの「表面麻酔」を使用したり、必要に応じて少量の「局所麻酔」を注射することで、ほとんど痛みを感じずに処置を進めることができます。「麻酔をしてでも、しっかり汚れを取り切りたい」というご希望があれば、事前にお申し出ください。

 

3-3. 歯石が溜まりすぎる前に「定期検診」に通う

最も確実な痛み対策は、「歯石がカチカチに硬くなる前、そして歯茎が大きく腫れる前に取る」ことです。
長期間放置された歯石は石のように硬くなり、除去に時間がかかり、痛みも伴いやすくなります。3〜4ヶ月に一度のペースで定期検診に通っていれば、汚れも落としやすく、歯茎の炎症も少ないため、マッサージを受けているような心地よさの中でクリーニングを終えることができます。

 

3-4. ご自宅での正しいセルフケアを習慣づける

歯科医院でのクリーニングの負担を減らすには、毎日のホームケアが欠かせません。
歯ブラシに加えて、デンタルフロスや歯間ブラシを正しく使い、プラーク(歯垢)の段階で汚れを落としておくことで、歯石の付着や歯肉の炎症を最小限に防ぐことができます。ご自身のケアが行き届いているほど、クリニックでの処置は短時間で、無痛で終わります。

 

4. 当院の「痛みに配慮した」クリーニングへのこだわり

亀戸WADA歯科・矯正歯科では、患者様に「また来たい」と思っていただけるよう、痛みに最大限配慮したクリーニングを提供しています。

 

まず、いきなり器具を当てることはいたしません。必ず事前にお口の中全体をチェックし、歯茎の炎症具合や知覚過敏の有無を確認します。
そして、患者様お一人おひとりのお口の状態や、痛みの感じやすさに合わせて、使用する器具の種類や超音波のパワーを細かく調整します。

 

また、お口のケアを担当するのは、専門的な訓練を受けた歯科衛生士です。患者様とのコミュニケーションを大切にし、お顔の表情やわずかな反応を見逃さず、常に「お痛みはありませんか?」「お水がしみていませんか?」とお声がけしながら、リラックスした状態でケアを受けていただけるよう努めています。
どうしても不安が強い方には、麻酔を用いた無痛的なアプローチもご提案いたしますので、どうぞご安心ください。

 

5. まとめ

「歯石取りは痛い・血が出る」というのは、決して避けられない絶対的なものではありません。多くの場合、それは長期間放置されたことによる歯茎の炎症や、硬くこびりついた汚れが原因です。

 

定期的に歯科医院へ通い、お口の中を清潔な状態に保つこと。そして、痛みや不安があれば決して我慢せず、プロフェッショナルである私たちに伝えていただくこと。
これが、快適なクリーニングを受けるための最大の秘訣です。

 

「痛いのが怖くて、ずっと歯医者に行けていない」
「以前のクリーニングでつらい思いをした」

 

そのようなご経験がある方も、ぜひ一度、勇気を出して私たちにご相談ください。
亀戸で痛みに配慮した歯石取りや、歯周病予防のためのクリーニングについてのご相談なら、亀戸WADA歯科・矯正歯科へお任せください。
皆様の大切な歯と歯茎を優しく守り、いつまでもご自身の歯で美味しく食事ができるよう、スタッフ一同、誠心誠意サポートさせていただきます。

 

少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

監修者情報

亀戸WADA歯科・矯正歯科 理事長 和田慎一郎

理事長

和田 慎一郎 | Shinichiro Wada

歯科大学卒業後、北海道の総合歯科医院での研鑽を経て、都内の会員制歯科医院にて10年間院長を歴任。「妥協のない最善の治療で多くの方の健康に寄与したい」という信念のもと、2016年に当院を開院。専門医連携による高度な治療と、予防を軸としたパーソナライズ治療の両立に注力している。

【略歴】

2026.03.17更新

20260306kameido

 

こんにちは。院長の和田です。

 

鏡を見たとき、歯の裏側や隙間にこびりついている白や黄色の固い汚れ、「歯石」を見つけてハッとしたことはありませんか?
「爪楊枝やピンセットでカリカリすれば取れるかも」「市販の歯石取り用の器具(スケーラー)を買って自分でやってみようか」
そんな風に考えたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

 

しかし、歯科医師として結論から申し上げますと、ご自身で歯石を取ることは非常に危険ですので絶対におやめください。

 

この記事では、なぜ歯石を自分で取ってはいけないのか、セルフケアに潜む恐ろしいリスクと、歯科医院で行う安全かつ効果的な歯石除去の方法について、専門家の視点から詳しく解説いたします。
この記事をお読みいただければ、大切な歯や歯茎を守りながら、お口の健康を維持するための正しいステップが分かります。ぜひ最後までお読みください。

目次

1. そもそも「歯石」とは?歯垢(プラーク)との違い

歯石と歯垢(プラーク)を混同されている方は少なくありません。歯垢は、食べカスそのものではなく、歯の表面に付着した「細菌の塊」です。白くネバネバしており、この段階であれば毎日の正しい歯磨きやデンタルフロスで落とすことが可能です。

 

1-1. 歯石ができるメカニズム

しかし、磨き残した歯垢が、唾液の中に含まれるカルシウムやリンなどのミネラル成分と結びつくと、石のように硬く石灰化してしまいます。これが「歯石」の正体です。個人差はありますが、歯垢はわずか2〜3日という短い期間で歯石へと変化し始めます。一度石灰化してしまうと、どんなに一生懸命歯ブラシで磨いても、ご自身の力で落とすことはできません。

 

1-2. 歯石を放置するとどうなる?

実は、歯石そのものには毒性はありません。しかし、歯石の表面は軽石のようにザラザラしており、無数の小さな穴が空いています。このザラザラした部分に、新たな歯垢(細菌の塊)が非常に付着しやすくなるのです。
つまり、歯石は「細菌にとって最高の住処」となります。これを放置すると、細菌が出す毒素によって歯茎が炎症を起こし(歯肉炎)、やがて歯を支える骨まで溶かしてしまう「歯周病」へと進行していきます。さらに、細菌の繁殖は強い口臭の根本的な原因にもなります。

 

2. 歯科医師が警告!自分で歯石を取る3つの危険性

最近では、インターネットやドラッグストアで一般の方向けの「スケーラー(歯石取り用の金属器具)」が販売されているのを見かけます。しかし、プロの視点から見ると、これをご家庭で使用するのは非常に危険な行為です。

 

2-1. エナメル質や歯茎を傷つけるリスク

歯石は歯の表面に強固にこびりついています。私たちが診療で歯石を取る際も、専用の機器を使い、力加減や角度をミリ単位で繊細にコントロールしています。
ご自身で無理にガリガリと引っ掻いてしまうと、歯の表面を覆う大切な「エナメル質」を削り取ってしまったり、傷をつけてしまう恐れがあります。また、少し手元が狂っただけで、鋭利な金属器具がデリケートな歯茎に深く刺さり、大きな怪我や出血に繋がるリスクも非常に高いのです。

 

2-2. 細菌感染による炎症の悪化

ご家庭の洗面所などの環境で、完全に滅菌されていない器具を口の中に入れることは衛生的ではありません。もし歯茎を傷つけてしまった場合、そこからお口の中の細菌が入り込み、化膿して大きく腫れ上がったり、痛みが強くなったりする二次感染を引き起こす可能性があります。

 

2-3. 取り残しにより表面が粗くなり、さらに汚れがつきやすくなる

仮に、目に見える部分の歯石が少し取れたとしましょう。しかし、プロの目と専用器具がなければ、必ず取り残しが生じます。中途半端に削り取られた歯石の表面や、器具によって傷ついた歯の表面は、以前よりもさらにザラザラになります。皮肉なことに「もっと歯垢(細菌)がつきやすく、もっと歯石ができやすい状態」をご自身で作ってしまうことになるのです。

 

3. 歯科医院で行う安全な「歯石除去」とは

では、一度できてしまった歯石はどのように取り除くのが正解なのでしょうか。答えは「歯科医院で専用の機材を使って、プロに取り除いてもらうこと」に尽きます。

 

3-1. 専門の器具(超音波スケーラー)による負担の少ない除去

当院では、主に「超音波スケーラー」という専用の機器を使用します。これは、微細な超音波の振動と水流の力を利用して、硬い歯石を細かく粉砕しながら洗い流す仕組みです。歯や歯茎に余計なダメージを与えることなく、効率的かつ安全に汚れを取り除くことができます。「ガリガリと削られる感覚が苦手」という方にも、負担の少ない方法です。

 

3-2. 歯周ポケットの奥深くまでアプローチ(ルートプレーニング)

目に見える歯石(縁上歯石)だけでなく、歯茎の溝(歯周ポケット)の奥深くに隠れている黒っぽい歯石(縁下歯石)の除去が、歯周病予防には最も重要です。この奥深くの歯石は非常に硬く、専用の手用器具(キュレットなど)を使って、歯科医師や歯科衛生士が手先の感覚を頼りに慎重に取り除き、歯の根の表面を滑らかに整えます(ルートプレーニング)。これは、専門的な訓練を受けたプロでなければ絶対にできない処置です。

 

3-3. 表面をツルツルに仕上げる研磨(PMTC)

歯石を取り除いた後は、歯の表面に目に見えない細かな傷や粗さが残っています。そこで、専用のペーストと柔らかいゴムやシリコン製のカップを使い、歯の表面をツルツルに磨き上げます(PMTC:プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)。表面が滑らかになることで、新たな歯垢や着色汚れ(ステイン)がつきにくくなり、虫歯や歯周病の予防効果が長続きします。

 

4. 歯石を溜めないためのホームケアとプロのサポート

歯石になってしまうと自分では取れませんが、「歯石になる前の歯垢(プラーク)の段階」であれば、ご自身のケアでコントロールできます。

 

4-1. 正しいブラッシングと清掃補助用具の活用

毎日の歯磨きが最も重要です。しかし、歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れは6割程度しか落とせないと言われています。デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、汚れの除去率を大幅に引き上げることができます。当院では、患者様のお口の大きさや歯並びに合わせた、最適なブラッシング方法や清掃補助用具の選び方を丁寧に指導いたします。

 

4-2. 痛くなる前の「定期的なメインテナンス」の重要性

どんなに丁寧にセルフケアを行っていても、どうしても磨きにくい場所には少しずつ歯石が溜まってしまいます。そのため、「痛みがないから」と放置するのではなく、3〜4ヶ月に一度のペースで定期的なメインテナンス(検診とクリーニング)にお越しいただくことを強くお勧めします。
定期的にプロの目でお口の中をチェックし、小さな変化を見逃さないことが、結果的に一生ご自身の歯で美味しく食事を楽しむための最短ルートです。

 

5. まとめ

いかがでしたでしょうか。歯石は、目に見える不快感だけでなく、歯周病を進行させる恐ろしい原因となります。
ご自身で無理に取ろうとすることは、歯や歯茎を傷つけ、状況をさらに悪化させる大変危険な行為です。「爪楊枝でカリカリ」も「市販の器具でのチャレンジ」も、絶対にお控えください。
一度硬くなってしまった歯石は、専用の機材と専門的な技術を持つ歯科医院に任せるのが、一番安全で確実です。

 

「最近、歯の裏のザラザラが気になる」
「しばらく歯医者に行っていないから、しっかりクリーニングしてほしい」
そのようなお悩みやご希望がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
当院では、患者様のお口の状況をしっかりと把握し、痛みに配慮した丁寧なクリーニングと、再発を防ぐための予防プログラムをご提案いたします。

 

亀戸で安全な歯石除去や、予防歯科・クリーニングについてのご相談なら、亀戸WADA歯科・矯正歯科へお任せください。
皆様の大切な歯を末長く守るために、私たちが全力でサポートさせていただきます。

 

少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

監修者情報

亀戸WADA歯科・矯正歯科 理事長 和田慎一郎

理事長

和田 慎一郎 | Shinichiro Wada

歯科大学卒業後、北海道の総合歯科医院での研鑽を経て、都内の会員制歯科医院にて10年間院長を歴任。「妥協のない最善の治療で多くの方の健康に寄与したい」という信念のもと、2016年に当院を開院。専門医連携による高度な治療と、予防を軸としたパーソナライズ治療の両立に注力している。

【略歴】

2026.03.03更新

20260306kameido

 

こんにちは。亀戸駅徒歩5分の歯医者、亀戸WADA歯科・矯正歯科 院長の和田です。

「虫歯が深くまで進行していて、もう抜歯するしかありません」
他院でそのように宣告され、大きなショックを受けて当院へセカンドオピニオンにいらっしゃる患者様が後を絶ちません。

「痛いのは嫌だけれど、自分の歯は絶対に抜きたくない」
「インプラントや入れ歯ではなく、なんとか自分の歯で噛み続けたい」
そのように願うのは、患者様として当然のお気持ちです。

日本の保険診療における従来の根管治療(歯の根の治療)では、限界があるケースも確かに存在します。しかし、歯科医療の技術と設備は日々進歩しており、かつては抜歯一択だったような重度な状態の歯でも、「精密根管治療」という高度なアプローチによって救える可能性が広がっています。

「もう抜くしかない」と諦めてしまう前に、ぜひ知っていただきたいことがあります。
本記事では、なぜ根管治療が難しいのか、そして、マイクロスコープをはじめとする最新機器を用いた精密根管治療が、どのようにして皆様の大切な歯を救い、再発を防ぐのかについて、詳しく解説いたします。

 

目次

 

1. なぜ「抜歯」と言われてしまうのか?根管治療の難しさ

そもそも、なぜ虫歯が進行すると「抜歯」という選択肢が提示されるのでしょうか。それは、歯の根の中にある神経の管(根管)の治療が、歯科治療の中でも非常に難易度が高いからです。

 

1-1. 暗く、狭く、複雑な「歯の根」の構造

根管の直径は、細いところではわずか0.1ミリ以下しかありません。しかも、まっすぐな筒状ではなく、曲がりくねっていたり、網の目のように枝分かれしていたりと、人によって千差万別です。この暗く、狭く、複雑な迷路の中に入り込んだ細菌を、すべて綺麗に取り除くことは至難の業なのです。

 

1-2. 肉眼と手の感覚に頼る従来の治療の限界

従来の根管治療は、主に歯科医師の「肉眼」と「手の感覚(勘)」を頼りに行われてきました。しかし、見えない部分を手探りで掃除するため、どうしても細菌や汚染された神経を取り残してしまうリスクがあります。
取り残された細菌は、数年後に再び増殖し、歯の根の先に膿の袋を作ります。こうして何度も治療を繰り返すうちに歯は薄く脆くなり、最終的には「これ以上治療できないので抜歯です」という結満になってしまうのです。

 

2. 歯を残すための最後の砦「精密根管治療」とは

このような従来の治療の限界を打ち破り、再発を防いで歯を残すために行われるのが「精密根管治療」です。
これは、最新の機器と世界基準の技術を駆使し、根管内の細菌を徹底的に排除することを目的とした治療法です。その成否を分ける最も重要なツールが、「マイクロスコープ」と「ラバーダム防湿」です。

 

3. マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)がもたらす3つの絶大なメリット

マイクロスコープとは、患部を最大20倍以上に拡大して見ることができる歯科用の顕微鏡です。当院では、このマイクロスコープを根管治療において積極的に活用しています。

 

3-1. 【見える化】ミクロン単位の汚染物質を確実に除去

最大の違いは、「勘」ではなく「確実に見ながら」治療ができることです。
肉眼では真っ暗な穴にしか見えない根管内も、マイクロスコープの強力な照明と拡大視野のもとでは、汚れや隠れた根管の入り口まではっきりと見えます。これにより、細菌の温床となる汚染物質をミクロン単位で確実に除去し、再発のリスクを劇的に下げることが可能になります。

 

3-2. 【ヒビの発見】抜歯の原因となる「歯根破折」を早期に確認

歯の根にヒビが入っている(歯根破折)と、そこから細菌が入り込み、周囲の骨を溶かしてしまいます。肉眼では見えない微小なヒビも、マイクロスコープを使えば発見できます。早い段階で適切な処置を行うことで、抜歯を回避できる確率が高まります。

 

3-3. 【削りすぎの防止】健康な歯質を最大限に残す

マイクロスコープを使用すると、削るべき悪い部分と、残すべき健康な部分の境界が明確に分かります。必要最小限の部分だけをピンポイントで削ることができるため、歯の強度を保、将来的な歯の寿命を延ばすことにつながります。

 

4. 「絶対に再発させない」ための当院の徹底した取り組み

マイクロスコープで「見る」だけでは、治療は完結しません。当院では、細菌を侵入させないための環境作りにも徹底的にこだわっています。

 

4-1. ラバーダム防湿による「無菌的」な治療環境

お口の中の唾液には、無数の細菌が含まれています。治療中に唾液が根管内に入ってしまうと、せっかく綺麗に掃除をしても再び感染を起こしてしまいます。
当院では、治療する歯だけをゴムのシートで覆って露出させる「ラバーダム防湿」を必ず行います。これにより、唾液や細菌の侵入を物理的にシャットアウトし、外科手術室のような「無菌的」な環境で安全に治療を進めることができます。

 

4-2. 歯科用CTを用いた3次元的な立体診断

通常の2次元のレントゲンでは、複雑な根管の形状や、骨の溶け具合を正確に把握することは困難です。当院では、歯科用CTを用いて顎の骨や歯の根を3次元の立体画像として撮影し、治療前に安全で確実な計画を立てます。マイクロスコープとCTを併用することで、診断と治療の精度は飛躍的に向上します。

 

5. まとめ:ご自身の歯で一生噛み続けるために

根管治療は、建物の「基礎工事」と同じです。どんなに立派で高価な被せ物をしても、土台となる歯の根の中に細菌が残っていれば、やがて基礎から崩れ落ちてしまいます。

「歯を抜くしかない」と言われても、まだ希望はあります。
当院では、東京医科歯科大学などで培った経験と、最新の設備を用いた精密根管治療によって、皆様の大切な歯を1本でも多く、1日でも長く残すための最大限の努力をいたします。

 

「他の医院で抜歯と言われたが、納得できない」
「何度も同じ歯が痛む、腫れる」
「再発しない、根本的な治療を受けたい」

 

このようなお悩みをお持ちの方は、諦める前にぜひ一度ご相談ください。
亀戸で根管治療や、大切な歯を残す治療についてのご相談なら、亀戸WADA歯科・矯正歯科へお任せください。
患者様のお口の状況を精密に診断し、ご自身の歯で一生美味しく食事ができるよう、最善の治療方針をご提案させていただきます。

 

少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

監修者情報

亀戸WADA歯科・矯正歯科 理事長 和田慎一郎

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和田 慎一郎 | Shinichiro Wada

歯科大学卒業後、北海道の総合歯科医院での研鑽を経て、都内の会員制歯科医院にて10年間院長を歴任。「妥協のない最善の治療で多くの方の健康に寄与したい」という信念のもと、2016年に当院を開院。専門医連携による高度な治療と、予防を軸としたパーソナライズ治療の両立に注力している。

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