
こんにちは。亀戸WADA歯科・矯正歯科 院長の和田です。
「昔治療した銀歯のあたりが、最近なんとなく不快感がする」
「歯医者さんで検診を受けたら『銀歯の下で虫歯が広がっています』と言われて驚いた」
診療室で患者様とお話ししていると、このような体験談を非常によく伺います。「一度しっかり虫歯を削って金属の詰め物・被せ物をしたのだから、もうその歯は安心だろう」と思っておられる方は少なくありません。
しかし、実は歯科治療において最も頻度が高く、そして歯の寿命を縮める大きな原因となっているのが、過去に治療した歯に再び虫歯ができる「二次カリエス(二次虫歯)」です。特に、従来の保険治療でよく使われている「銀歯(金銀パラジウム合金)」は、経年変化によって銀歯の下で虫歯が再発しやすいという特徴を持っています。
一度削って詰め物をした歯が再び虫歯になると、再治療のたびに歯をさらに大きく削らなければならなくなり、やがて神経を取り、最終的には抜歯へと追い込まれてしまいます。
そこで注目されているのが、二次カリエスの再発リスクを劇的に抑えることができる「セラミック治療」です。セラミック治療は単に「見た目を白く綺麗にする」ためだけの美容的な治療ではありません。本質は、大切な歯を虫歯の再発から守り、長持ちさせるための「高度な予防・保存治療」なのです。
本記事では、なぜ銀歯の下で虫歯が再発しやすいのかというメカニズムから、セラミック治療が二次カリエスを予防できる医学的な理由、そして当院が実践している精密な治療へのこだわりについて、分かりやすく丁寧に解説いたします。
目次
- 1. 銀歯の下で起こる「二次カリエス(再発虫歯)」とは?
- 2. なぜ銀歯は二次カリエスになりやすいのか?3つの理由
- 3. 銀歯の下の虫歯(二次カリエス)が引き起こすリスク
- 4. セラミック治療が二次カリエスを効果的に防ぐ理由とメリット
- 5. 当院がこだわる「歯を残す」ための精密セラミック治療
- 6. まとめ
1. 銀歯の下で起こる「二次カリエス(再発虫歯)」とは?
「カリエス(Caries)」とは、歯科の専門用語で「虫歯」のことを指します。つまり「二次カリエス」とは、過去に虫歯治療を行って詰め物や被せ物を装着した歯に、再び発生する虫歯のことです。
治療済みの歯だからといって、その部分が永久に虫歯にならないわけではありません。むしろ、一度削って人工物を入れた境界部分(継ぎ目)は、天然の歯の表面(エナメル質)に比べて構造的に弱く、細菌が侵入しやすい「弱点」となります。
日本人が歯を失う理由の多くは歯周病と虫歯ですが、大人の虫歯治療の大部分は、新しくできた虫歯ではなく、この「二次カリエスによるやり直し治療」であると言われています。
2. なぜ銀歯は二次カリエスになりやすいのか?3つの理由
保険診療で広く使われている銀歯(金銀パラジウム合金)は、強度が高く割れにくいというメリットがある反面、二次カリエスを引き起こしやすいという材質的な弱点を抱えています。主な理由は以下の3点です。
2-1. 接着用セメントの経年劣化と「隙間」の発生
保険診療で銀歯を装着する際に使用するセメント(合着剤)は、歯と金属を化学的に強力に結合させているわけではなく、主に「摩擦力」と「機械的なはまり込み」で固定しています。いわば「強力な糊」で隙間を埋めている状態です。
このセメントは長年の使用に伴い、唾液によって徐々に溶け出していきます(水溶性)。セメントが溶けて消失した部分にはミクロ単位の目に見えない「隙間」が生まれ、そこから唾液とともに虫歯菌(プラーク)が内側へ侵入し、銀歯の下で虫歯を発生させます。
2-2. 金属の熱膨張と変形による適合精度の低下
私たちの口の中は、熱いスープ(約60〜70℃)を飲んだり、冷たいアイスクリーム(約0℃)を食べたりと、日々激しい温度変化にさらされています。
金属は熱によって膨張し、冷やすと収縮する性質(熱膨張率)が強い材質です。一方で、人間の歯(エナメル質・象牙質)の熱膨張率は金属とは異なります。長年にわたり口の中で伸縮を繰り返すうちに、歯と銀歯の間にたわみや歪みが生じ、境目に微細なひび割れやズレが発生してしまうのです。さらに、毎日の強い噛み合わせの力(歯ぎしりや食いしばりなど)によって金属自体が少しずつ変形することも、隙間ができる原因となります。
2-3. プラーク(細菌の塊)が付着しやすい材質的特徴
金属の表面は、一見すると滑らかに見えますが、ミクロのレベルで観察すると細かい傷や凹凸が無数に存在します。また、金属は帯電しやすい性質を持っているため、静電気的な作用によってお口の中の細菌(プラーク)を引き寄せやすいという特徴があります。
そのため、銀歯の周囲や境目にはプラークが溜まりやすく、日々の歯磨きだけでは汚れを完全に落としきることが困難になります。
3. 銀歯の下の虫歯(二次カリエス)が引き起こすリスク
銀歯の下で進行する二次カリエスには、通常の虫歯以上に厄介な特徴があります。
3-1. 痛みが出にくく、気づいた時には重症化しやすい
銀歯がかぶさっているため、初期段階では目視で虫歯を確認することができません。さらに、金属は熱を伝えやすいため「冷たいものがしみる」といった症状が出ても、「銀歯だから仕方ないかな」と見過ごされてしまいがちです。
また、過去の治療で神経近くまで削っていたり、すでに神経を抜いて(根管治療を行って)いる歯の場合、痛みを感じるセンサーが存在しないため、銀歯の下で虫歯がどれほど進行していても全く痛みがありません。
結果として、自覚症状がないまま銀歯の下で歯がスカスカになるまで虫歯が広がり、「銀歯が突然ぽろっと取れた」「噛んだ瞬間に歯が割れた」という段階になって初めて重症化に気づくケースが非常に多いのです。
3-2. 再治療を繰り返すことで「抜歯」へ近づく
歯は、治療のたびに削られて小さくなっていきます。二次カリエスになれば、外れた銀歯をそのまま戻すことはできず、内部の虫歯を綺麗に取り除くために、さらに歯を大きく削らなければなりません。
一般的に、同じ歯を治療できる回数は「4〜5回が限界」と言われています。再治療を繰り返すごとに歯の壁は薄くなり、最終的には神経を取らざるを得なくなったり、歯の根元まで虫歯が達して歯を支えきれなくなり、「抜歯」という選択肢しか残らなくなってしまいます。
4. セラミック治療が二次カリエスを効果的に防ぐ理由とメリット
二次カリエスの連鎖を断ち切り、大切な歯を長持ちさせるための非常に有効な手段が「セラミック治療」です。セラミック(陶器素材)が二次カリエス予防に優れている理由は以下の通りです。
4-1. 歯と強力に一体化する「精密な化学接着」
セラミック治療では、保険のセメントとは全く異なる「レジン系セメント」という強力な接着システムを使用します。
この接着技術により、セラミックは歯の表面と分子レベルで化学的に結合(レジンセメントによる接着)します。ただ「はめ込んで隙間を埋める」のではなく、「歯とセラミックが完全に一体化する」ため、境目から唾液や細菌が侵入する隙間(ギャップ)が一切生まれません。これが二次カリエスを防ぐ最大の理由です。
4-2. 表面がツルツルで「汚れ(プラーク)が付きにくい」
セラミックは焼き物(陶器)と同じ材質であるため、表面が非常に硬く、滑らかに研磨されています。傷がつきにくく静電気も帯びないため、プラーク(細菌)が物理的に付着しにくいという優れた性質を持っています。
毎日の歯磨きで汚れがサッと落ちやすく、お口の中を衛生的に保ちやすいため、歯茎の健康維持(歯周病予防)にも大きな効果を発揮します。
4-3. 経年劣化が少なく「隙間が生じにくい」
セラミックは水分を吸収せず、変質や劣化をほとんど起こしません。また、熱による膨張・収縮の割合(熱膨張率)が人間の天然歯(エナメル質)と非常に近いため、口の中の温度変化によって歯とセラミックの間に歪みや隙間が生じにくいという利点があります。変形もしないため、長期間にわたって作製時の精密なフィット感を維持できます。
5. 当院がこだわる「歯を残す」ための精密セラミック治療
どれほど優れたセラミックという素材を使っても、削る歯の精度や型取り、接着操作が雑であれば、結局隙間ができてしまい二次カリエスを引き起こします。
亀戸WADA歯科・矯正歯科では、「再発させない」「歯を可能な限り残す」ために、以下の精密なプロセスに徹底的にこだわっています。
5-1. マイクロスコープを用いた超精密な形成と適合
当院では、必要に応じて歯科用顕微鏡「マイクロスコープ」を駆使して治療を行います。肉眼の数倍〜数十倍に視野を拡大し、歯とセラミックの境目(マージン)をミクロン単位で精密に整えます。
段差のないスムーズな継ぎ目を作ることで、型取りの精度が飛躍的に高まり、技工物(セラミック)が隙間なくぴったりと治まる完璧な適合を実現します。
5-2. 接着力を最大限に高めるラバーダム防湿の実施
セラミック治療において最も重要なのが「接着時の湿度管理」です。セラミックを歯に接着する際、唾液や血液、呼気に含まれる湿気が接着面に少しでも付着すると、接着力は数十分の一にまで激減してしまいます。
当院では、治療する歯だけをゴムのシートで隔離する「ラバーダム防湿」を徹底して行います(必要に応じて実施)。お口の中の湿気や細菌を遮断し、完全に乾燥した無菌的な環境下で接着操作を行うことで、セラミックと歯を強固に一体化させ、将来的な脱離や二次カリエスを徹底的に防ぎます。
6. まとめ
銀歯は手軽で強度がある優れた保険材料ですが、経年劣化によって「銀歯の下で虫歯が再発しやすい(二次カリエス)」という構造的なリスクを抱えています。痛みがで出にくいため、気づいた時には歯を大きく失ってしまうことも少なくありません。
「もう二度と虫歯の再発で悩みたくない」
「大切な自分の歯を1本でも多く、長く残したい」
そうお考えの方には、歯と強力に結合し、細菌の侵入を長期間防ぐことができるセラミック治療が非常に価値のある選択肢となります。
当院では、単に見栄えを良くするだけでなく、マイクロスコープやラバーダム防湿を駆使した「精度と長持ち」にこだわったセラミック治療を提供しております。
亀戸で銀歯のやり直しやセラミック治療、二次カリエス予防についてのご相談なら、亀戸WADA歯科・矯正歯科へお任せください。
患者様お一人おひとりのお口の状態を精密に診断し、将来まで見据えた最適な治療プランをご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。
少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
監修者情報
【略歴】
- 2005年 東京医科歯科大学歯学部 卒業
- 2006年~2016年 10年間東京都内の会員制自由診療専門のクリニックにて、卒後2年目より院長を務める
- 2008年~2011年 東京医科歯科大学 歯学部歯髄生物学分野専攻生
- 2016年 10月 和田デンタルクリニック亀戸(現:亀戸WADA歯科・矯正歯科) 開院
酒田 日吉歯科にて熊谷先生のOPセミナー参加 - 2018年 Harvard大学interdisciplinary course参加/Freude International Academy 参加 (オーストリア咬合学)
- 2019年 Harvard大学にて【NIRIを用いた隣接面う蝕検知】 について共同研究/インビザラインシステムコース参加/スイスBern大学にてITI education weeks参加/シカゴにてAmerican Academy of dental sleep medicine ‘mastery program’参加
- 2021年 PHIJ BASICコース参加
- 2022年 代官山WADA歯科・矯正歯科 開院
- 2024年 Straumann PROARCH 参加



























