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2026.01.06更新

詰め物・被せ物が外れたときの正しい対処法|やってはいけないNG行動

 

 

こんにちは。亀戸駅徒歩5分の歯医者、亀戸WADA歯科・矯正歯科 院長の和田です。

 

食事を楽しんでいる最中や、ガムやキャラメルを噛んだ瞬間、あるいはお口の中で「ガリッ」という硬い感触があり、詰め物や被せ物が外れてしまった……。そんな経験はありませんか? 突然の出来事に驚き、「痛みはないけれど、どうしよう」「このまま放っておいても平気かな?」「とりあえず自分で戻してしまおうか」と、対応に迷われる方も非常に多くいらっしゃいます。

 

しかし、歯科医師の立場から申し上げますと、詰め物が外れるという現象は、単なる「接着剤の劣化」だけが原因ではないことがほとんどです。その背景には、歯の内側で静かに進行している「二次カリエス(虫歯の再発)」や、無意識のうちに行われている「歯ぎしり・食いしばり」による過度な負荷など、歯の寿命を縮める深刻なトラブルが潜んでいるケースが後を絶ちません。

 

「たかが詰め物が取れただけ」と軽く考えず、外れたことを「歯からのSOSサイン」と捉えていただきたいのです。外れたまま放置したり、自己判断で誤った処置をしてしまうと、本来なら残せたはずの歯の神経を取らなければならなくなったり、最悪の場合は歯が割れて抜歯に至るリスクさえあります。

 

今回は、詰め物・被せ物が外れてしまった際に患者様に実践していただきたい「正しい応急処置」と、絶対に避けていただきたい「NG行動」、そして当院がこだわり抜いている「再発を防ぎ、歯を守るための精密治療」について、保存治療(歯を可能な限り残す治療)を専門とする歯科医師の視点から、徹底的に解説いたします。

 

この記事を読んでいただければ、万が一のトラブルの際にも焦らず、ご自身の歯を守るための最善の行動が取れるようになるはずです。ぜひ最後までお読みください。

 

目次

 

1. なぜ外れた?詰め物・被せ物が脱離する「4つの真犯人」

詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)は、一度治療すれば一生持つものではありません。しかし、外れるには必ず「理由」があります。その原因を突き止めずに単に戻すだけでは、またすぐに同じトラブルを繰り返してしまいます。主な原因は以下の4つです。

 

1-1. 最も恐ろしい「二次カリエス(虫歯の再発)」

詰め物が外れる原因の第1位といっても過言ではないのが、「二次カリエス(二次虫歯)」です。 治療から年月が経つと、詰め物とご自身の歯との境目にわずかな段差や隙間が生じます。そこからプラーク(歯垢)や細菌が入り込み、詰め物の下で虫歯が広がってしまうのです。 内側で歯が溶かされて土台が崩れてしまうため、被せ物を維持する力がなくなり、ポロリと外れてしまいます。この場合、外れた詰め物を戻すことはできず、虫歯を取り除いてからの再治療が必要になります。

 

1-2. 接着用セメントの経年劣化と限界

詰め物は専用の歯科用セメントで歯に接着されています。しかし、お口の中は常に湿っており、熱いものや冷たいもの、酸性の食べ物など、過酷な環境にさらされています。 長期間の使用により、セメントが徐々に唾液に溶け出したり、接着力が弱まったりすることで、維持力を失い脱離することがあります。歯自体に問題がなければ、セメントを付け直すだけで済む場合もあります。

 

1-3. 歯ぎしり・食いしばりによる過剰な負荷

「ブラキシズム」と呼ばれる歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、要注意です。 食事の際の噛む力は数10kg程度ですが、睡眠中の歯ぎしりでは、その数倍〜10倍近い力が歯にかかると言われています。この強大な力が毎日繰り返されることで、セメントの層が破壊されたり、詰め物がたわんで変形したりして、外れる原因となります。 この場合、単に治すだけでなく、力のコントロール(ナイトガードの作成など)を行わなければ、再治療をしてもまた外れたり、最悪の場合は歯の根っこが割れてしまう(歯根破折)リスクがあります。

 

1-4. 詰め物・被せ物自体の変形や破損

金属製の詰め物は変形しにくいですが、長年の使用ですり減ったり、噛み合わせの変化によって適合が悪くなることがあります。また、レジン(プラスチック)やセラミックの一部が欠けてしまい、維持できなくなって外れることもあります。

 

2. 歯の寿命を縮める!絶対にやってはいけない3つのNG行動

外れた直後の患者様の行動が、その歯を「残せるか・残せないか」を左右すると言っても過言ではありません。以下の3つの行動は、治療を困難にし、歯の寿命を縮めるため、絶対にお控えください。

 

2-1. 【危険度MAX】ご自身で接着剤(アロンアルファ等)を使って戻す

これが最も危険で、絶対に避けていただきたい行動です。「とりあえずくっつけておけば大丈夫だろう」と、市販の瞬間接着剤(アロンアルファなど)を使用してご自身で戻そうとされる方がいらっしゃいますが、これは歯にとって致命的です。

  • 毒性と刺激: 市販の接着剤は生体用ではないため、歯の神経や歯茎に対して強い刺激や毒性を持つものがあります。
  • 噛み合わせのズレ: 歯科治療はミクロン単位の調整を行っています。ご自身でつけると必ずズレが生じ、噛み合わせが高くなることで、その歯に過剰な負担がかかり、歯の根が割れる原因になります。
  • 再治療の困難化: 歯科医院で治療する際、強力な瞬間接着剤を剥がすために、本来削らなくて良い健康な歯質まで大きく削り取らなければならなくなります。
  • 虫歯の温床: 汚れや細菌を閉じ込めたまま蓋をすることになり、中で爆発的に虫歯が進行します。

 

2-2. 「痛くないから」と外れたまま長期間放置する

「外れたけれど、痛くないし、反対側で噛めるから今度でいいや」と放置するのも非常に危険です。 詰め物が外れた下にある「象牙質」は、エナメル質よりも柔らかく、酸に弱いため、虫歯の進行が非常に早いです。痛みが出た頃には、すでに神経まで虫歯が達していることが多く、神経を取る処置(抜髄)が必要になる可能性が高まります。 また、歯は隣の歯や噛み合う歯と支え合っています。穴が空いたまま放置すると、隣の歯が倒れ込んできたり、噛み合う歯が伸びてきたりして歯並びが変わり、元の詰め物が入らなくなるだけでなく、大掛かりな矯正治療が必要になることもあります。

 

2-3. 外れた物をティッシュに包んで保管する

保管すること自体は良い心がけなのですが、「ティッシュに包む」のはNGです。 ティッシュに包んでテーブルに置いておくと、ご家族がゴミと間違えて捨ててしまったり、間違って踏んで変形させてしまう事故が非常に多発しています。 また、ティッシュの繊維がセメント面に付着し、再装着の妨げになることもあります。

 

3. 歯科医院に行くまでの正しい応急処置ガイド

もし詰め物が外れてしまったら、慌てずに以下の手順で対応し、できるだけ早く歯科医院をご予約ください。

 

3-1. 外れた詰め物の正しい保管方法

外れた詰め物は、捨てずに必ずお持ちください。変形や破損がなく、歯の状態も良ければ、洗浄・消毒をしてそのまま再装着(再セット)できる場合があります。 保管の際は、紛失や破損を防ぐため、「小さなタッパー」「薬の空き瓶」「ジッパー付きの小袋」などの硬い容器に入れてください。

 

3-2. 食事の際の注意点と清掃方法

予約までの間は、外れた歯で硬いものを噛まないようにしてください。象牙質が露出しているため、欠けやすく、もろい状態です。食事は反対側の歯でゆっくりと行い、ガムやキャラメルなどの粘着性の高いものは避けてください。 歯磨きの際は、患部を強くこすりすぎないようにし、食べカスが詰まらないよう優しくケアして清潔に保ってください。冷たい水でのうがいはしみる場合があるため、ぬるま湯を使用することをお勧めします。

 

3-3. しみる・痛む場合の対処法

もし冷たいものや風がしみる場合は、神経が過敏になっています。刺激を与えないようにし、熱いものや冷たいものの飲食は避けてください。 ズキズキと痛む場合は、市販の痛み止め(ロキソニンなど)を服用して様子を見てください。ただし、薬は一時的な対処に過ぎませんので、早急な受診が必要です。

 

4. 「ただ戻す」だけでは終わらせない。当院の精密治療へのこだわり

亀戸WADA歯科・矯正歯科では、外れた詰め物を単に戻して終わりにはしません。「なぜ外れたのか」という根本原因を徹底的に突き止め、再発リスクを最小限に抑えるための「精密保存治療」を行っています。

 

4-1. マイクロスコープが不可欠な理由

肉眼での治療には限界があります。当院では、高倍率の歯科用顕微鏡「マイクロスコープ」を使用し、患部を数十倍に拡大して診察します。 これにより、肉眼では見逃してしまうような微細な虫歯の取り残し、歯に入った亀裂(ヒビ)、詰め物の不適合などを確実に発見できます。外れた原因が「見えない虫歯」や「ヒビ」であれば、そこを治療せずに戻しても必ず再発します。マイクロスコープを用いることで、確実性の高い診断と処置が可能になります。

 

4-2. ラバーダム防湿で「接着」を確実に

詰め物を歯にしっかりと接着させるためには、水分(唾液・呼気・血液)の排除が絶対条件です。唾液の中には無数の細菌が含まれており、これが接着面に触れると接着力が著しく低下し、将来的な脱離や二次カリエスの原因となります。 当院では、治療する歯だけをゴムのシートで隔離する「ラバーダム防湿」を行い、無菌的で乾燥した環境下で、化学的根拠に基づいた確実な接着操作を行います。

 

4-3. 適合精度を高め、細菌の侵入を許さない形成

詰め物が外れる最大の原因である二次カリエスを防ぐには、詰め物と歯の段差(ギャップ)を極限までなくすことが重要です。 当院では、拡大視野下で歯を削る面を滑らかに整え、適合精度の高い型取りを行うことで、ミクロン単位で歯にフィットする詰め物を作製します。隙間がなければ細菌は侵入できず、詰め物は長持ちし、中の歯を守ることができます。

 

5. 再治療の選択肢――保険診療と自費診療、どちらが長持ちする?

詰め物を作り直すことになった場合、材料の選択は「歯の寿命」に直結します。当院では、患者様のご希望と歯の状態に合わせて、最適なプランをご提案します。

 

5-1. 保険診療(金属・レジン)のリスクと限界

保険診療で使用される金属(いわゆる銀歯)は、強度こそありますが、歯とは硬さが異なるため、長期間使用すると歯の方に負担がかかり、歯が割れる原因になることがあります。 また、金属は熱による膨張・収縮を繰り返すため、セメントが劣化しやすく、隙間ができやすいという欠点があります。さらに、金属イオンの溶け出しによる歯茎の変色や金属アレルギーのリスクも無視できません。 レジン(プラスチック)は白いですが、強度が低く、吸水性があるため劣化・変色が早く、汚れがつきやすいため二次カリエスのリスクが高くなります。

 

5-2. 精密治療(セラミック・ジルコニア)が歯を守る理由

自費診療となるセラミックやジルコニアは、単に「見た目が白い」だけがメリットではありません。最大の利点は「歯との接着性」と「プラークのつきにくさ」です。 セラミックは歯と化学的に強固に接着するため、一体化して隙間ができにくく、二次カリエスのリスクを大幅に低減できます。また、表面が非常に滑らかで傷がつきにくいため、汚れ(プラーク)が付着しにくく、清潔な状態を保ちやすいのも特徴です。 「長持ちさせたい」「もう虫歯にしたくない」とお考えの方には、セラミック治療を強くお勧めします。

 

6. よくある質問 Q&A

Q. 詰め物が外れたけど、全く痛くありません。急いで行く必要がありますか?
A. はい、できるだけ早くご来院ください。痛くないのは、神経が死んでいるか、たまたま刺激が伝わっていないだけかもしれません。放置すると虫歯が進行したり、歯並びが変わって治療が複雑になる恐れがあります。

 

Q. 他の歯医者さんで入れた詰め物でも診てもらえますか?
A. もちろんです。当院以外で治療された詰め物・被せ物でも遠慮なくご相談ください。外れた原因を診断し、最適な処置を行います。

 

Q. 飲み込んでしまったかもしれません。大丈夫でしょうか?
A. 小さな詰め物であれば、数日中に便と一緒に排出されることがほとんどですので、過度な心配はいりません。ただし、気管に入ってしまった(誤嚥)可能性がある場合(激しい咳き込みや違和感がある場合)は、すぐに医療機関を受診してください。

 

Q. 治療期間や費用はどれくらいかかりますか?
A. 外れたものをそのまま戻せる場合は、保険診療の範囲内で初診料を含めて数千円程度、回数も1回で終わります。 作り直しが必要な場合や、虫歯の治療が必要な場合は、数回の通院が必要です。費用は保険診療か自費診療かによって異なりますので、診査診断の上、事前にお見積りと治療計画を明確にご説明いたします。

 

7. まとめ

詰め物や被せ物が外れたときは、歯があなたに送っている「SOSサイン」です。 「痛くないから」と放置したり、ご自身で接着剤でつけたりすることは、その歯の寿命を縮める行為ですので絶対におやめください。

  • 慌てず、外れた物を容器に保管する
  • 触らず、清潔に保つ
  • 早めに歯科医院を受診する

この3ステップを守るだけで、歯を残せる可能性はぐっと高まります。

 

亀戸WADA歯科・矯正歯科では、「治療した歯を一生使い続けていただくこと」を目標にしています。 ただ穴を埋めるだけの治療ではなく、マイクロスコープやラバーダムを用いた精密な治療で、二次カリエスのリスクを徹底的に排除し、やり直しのない治療を目指します。 平日は夜20時まで(水曜除く)、土日も診療を行っておりますので、お仕事でお忙しい方や急なトラブルの際も安心してご相談ください。 皆様の大切な歯を一本でも多く残すために、スタッフ一同、全力を尽くします。

 

少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

江東区亀戸駅から徒歩5分の歯医者・歯科
『亀戸WADA歯科・矯正歯科』
住所:東京都江東区亀戸1丁目31−7
TEL:03-5875-2222

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