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2025.08.22更新

定期検診はなぜ必要?歯医者がすすめる「予防歯科」の本当の意味【亀戸】

 

こんにちは。江東区亀戸の「亀戸WADA歯科・矯正歯科」です。
診療室でよくいただく質問に「痛くないのに、定期検診は必要ですか?」というものがあります。お気持ちはよく分かります。忙しい毎日の中で、症状がないのに歯科へ行くのは後回しになりやすいですよね。けれども、お口の病気は“静かに進む”ものが多く、痛みが出たときには、すでに治療の選択肢が限られていることが少なくありません。

本記事では、予防歯科の考え方、定期検診で実際に何をしているのか、どれくらいの間隔で通えばよいのか――歯科医師の立場から、できるだけ分かりやすくお伝えします。亀戸で「無理なく続けられる予防」を見つけるためのヒントになれば幸いです。

 

 

1. 定期検診はなぜ必要?「予防歯科」の考え方

予防歯科は、病気になってから治すのではなく、病気になりにくい口内環境を保つという発想です。虫歯や歯周病は、生活習慣・細菌・唾液の性質・歯並びやかみ合わせなど、いくつもの要因が絡み合って起こります。毎日ていねいに磨いていても、歯ブラシが届きにくい場所や、唾液の量が少ない時間帯にはプラーク(細菌の塊)が残りやすく、少しずつ“土壌”が変化します。

定期検診の役割は、その“変化の兆し”を早い段階でつかみ、クリーニングやフッ素の応用、磨き方の調整、食習慣の見直しなどによって悪くなる流れを反転させることにあります。結果として、通院回数や治療の負担を抑え、天然の歯を長く守ることにつながります。
「通う手間」と「将来の負担」を天秤にかけると、定期検診は“コスパのよい健康投資”になり得ます。これは特別なことではなく、歯科とご自身のケアを二人三脚で積み重ねる、地に足のついた健康づくりの方法です。

 

2. 「痛くないから行かない」が危険な理由

痛みは“最後のサイン”であることが少なくありません。たとえば虫歯は、表面のエナメル質が溶け始めた段階(C0~C1)ではほとんど痛みが出ません。しみる感覚があっても一過性で、気づかないうちに進行します。歯周病も同様で、初期は腫れや出血がわずかで自覚に乏しく、気がついたときには歯を支える骨が痩せていた…ということも珍しくありません。

「痛くない=健康」ではない――ここが歯科の難しいところです。実際に、痛みが出てから来院される患者さんの中には、「もっと早く来れば、削らずに済んだかもしれない」とおっしゃる方がいます。歯科の治療は必要なときに適切に行うことが大切ですが、“必要な状態にさせない”ための仕組みづくりがさらに重要です。定期検診は、そのための実践的な装置だと考えてください。

 

3. 定期検診では何をしているのか

診療室の中で行っていることを、できるだけ具体的にご紹介します。まずは視診と触診で歯ぐきの状態やプラークの付き方、歯の欠けやすり減り、かみ合わせの偏りを確認します。必要に応じてレントゲンや口腔内写真で、目に見えない歯と歯の間、古い詰め物の下、歯の根の周囲などをチェックします。

次に、歯周ポケットの測定と出血の有無を確認し、歯周病の進行度や炎症の部位を記録します。この「記録」がとても重要で、前回からの変化が分かることで、どこを重点的にケアすべきかが明確になります。

その後、プロフェッショナルクリーニング(歯石除去、バイオフィルムの破壊、研磨)を行い、必要に応じて高濃度フッ素や知覚過敏の薬剤を応用します。最後に、歯並びや利き手、ブラシの当て方の癖に合わせてホームケアの微調整を一緒に考えます。ポイントは、「よい磨き方を新しく覚える」のではなく、無理なく続けられる現実的なやり方に“寄せていく”こと。これが継続のコツです。

 

4. 間隔の目安は?“あなた仕様”にカスタマイズする通い方

「どれくらいの頻度で通えばいいですか?」というご質問には、私たちは“同じ答え”を返しません。虫歯・歯周病のリスクは、歯並び、唾液の量と質、食事の回数、喫煙の有無、既往治療、生活リズムなどで大きく変わるからです。

一般的には3〜6か月が一つの目安ですが、たとえば歯周病の治療直後や、矯正中、妊娠中でホルモン変化が大きい時期には、1〜3か月の短い間隔を提案することがあります。逆に、安定していてセルフケアも上手に継続できている方は、半年の間隔でも十分にコントロールできる場合があります。

大切なのは“型にはめない”こと。検査データと生活背景を踏まえて、あなたにとって無理がなく、かつ効果的なサイクルを一緒に設計していきます。

 

5. ライフステージ別・予防のポイント(子ども/大人/妊娠中・授乳中/矯正中)

子どもは、生えたての永久歯が柔らかく虫歯になりやすい時期です。シーラント(溝のコーティング)やフッ素の応用、仕上げ磨きのコツ、間食の選び方とタイミングをお伝えしながら、家族で取り組める予防を整えていきます。指しゃぶりや口呼吸、舌の癖がある場合は、早期に気づいてアドバイスすることで、将来の歯並びトラブルの予防にもつながります。

大人は、仕事や育児で生活が不規則になりやすく、磨き残しの“パターン”が固定化しがちです。奥歯の裏側や歯と歯の間、古い被せ物の縁にトラブルが集中する傾向があるため、個別の弱点を把握してケアを最適化します。歯ぎしり・食いしばりが強い方は、歯の摩耗やひび割れ、知覚過敏を予防するための就寝時マウスピースを検討することもあります。

妊娠中・授乳中は、ホルモンバランスの変化やつわりで磨きにくくなり、歯肉炎が起こりやすい時期です。体調に配慮しながら清掃中心のケアを行い、時期を見て必要な治療を計画します。レントゲン撮影や投薬は安全を最優先に可否を判断し、無理のない範囲で予防を進めます。

矯正治療中は、装置まわりにプラークがたまりやすく、虫歯・歯肉炎リスクが上がります。装置に合わせた清掃法の練習と、短い間隔でのメンテナンスが鍵です。マウスピース矯正の方も、アタッチメント周囲の清掃が不十分だと汚れが囲い込まれますので、装着前後のブラッシングとフッ素の活用をご提案しています。

 

6. 亀戸で続けやすい予防習慣のつくり方

予防の成否は、“続けられるかどうか”に尽きます。完璧を目指すより、70点を毎日の方が、長い目で見ると結果が良いことを私たちは経験的に知っています。たとえば、帰宅が遅い日は“ポイント磨き”で弱点だけでも整える、朝のうがいにフッ素ジェルを一滴足す、間食は回数を減らすより“時間をまとめる”など、生活に無理なく溶け込む工夫が効果を発揮します。

当院は亀戸駅から徒歩圏で、平日・土曜も診療しています。定期検診の予約時に“次回の仮押さえ”をしておけば、忙しい時期でも受診のリズムが崩れにくくなります。私たちの役割は、治療をすることだけではありません。続けやすい仕組みを一緒に作ることも、地域の歯科として大切な仕事だと考えています。

 

7. まとめ

定期検診は、「異常がないかを確かめるためだけ」の受診ではありません。
小さな変化を見つけて流れを整え、あなたの生活に合ったやり方で無理なく続ける。その積み重ねが、将来の治療の負担を減らし、天然の歯を長く守ることにつながります。
「しばらく歯医者に行っていない」「痛みはないけれど、少し不安」――その段階こそ、予防を始めるのに最適なタイミングです。亀戸で“続けられる予防”を一緒に見つけていきましょう。どうぞお気軽にご相談ください。

 

少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

江東区亀戸駅から徒歩5分の歯医者・歯科
『亀戸WADA歯科・矯正歯科』
住所:東京都江東区亀戸1丁目31−7
TEL:03-5875-2222

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